2002年1月からメンバーシップ制のクラブを設立することになった。
名付けて「勝ち組クラブ」。3年前に書いた《これからの「勝ち組」「負け
組」》という本をベースにしたものだ。
1998年電気連合総合研究センターが“2010年の日本経済と国内雇用の姿”と
いう報告書をまとめたが、その中で2010年の完全失業率は18.2パーセントに達
すると予告している。(この数字はかなり保守的に見積もったものだとおれは
思う。今のままの状態が続けば2010年の失業率は20パーセントは超えるだろう)
ともあれ当時はこの電気連合総合研究センターの数字はあまり注目されな
かった。しかし実質失業率10パーセントに達している現在の状況を見ると超現
実味をおびてくる。全労働人口(約6500万人)の18.2パーセントと言えば約1200
万人、東京都の全人口がそっくり失業するに等しい。どしゃぶりどころか暴風
雨の時代が到来することになる。
ホームレスさえ淘汰されるほど厳しい時代になるだろう。これまでのライフ
スタイルや仕事のやりかたもドラスティックに変えねばならない。能力次第で
年俸1億円の契約社員が出てくるだろうし、100万円しかもらえないいわゆる不
良債権社員も出てくる。
またアイディアひとつで勝負する起業家の道を歩む者もいるだろう。厳しい時代ではあるが同時にやる気と能力を持つ者にとっては、これまでにないチャ
ンスに恵まれる時代でもある。
そのための準備がきみたちにはできているだろうか。あらゆる分野で激変す
る時代を的確にとらえてそれに対応できるか。今では全く通用しないことが証
明された日本人的世界観や古いメンタリティから脱却できるか。グローバリ
ゼーションの中で取り残されないための知識や知恵を身につけているか。世界
どこでも生きていけるだけのエネルギー、ヴァイタリティ、ずぶとさがあるか。
これらの問いに胸を張って“イエス”と答えられる人材の育成を試みるのが
「勝ち組クラブ」設立の主旨だ。